先日、神奈川県のH様邸に納めた「縦軸回転窓」をご紹介します。
縦軸回転窓とは、窓の縦方向の中心を軸として回転しながら開閉する窓のことです。
製作したサイズは、横幅1400×高さ1000で、ガラスは透明、仕上げは水性のツヤ消し黒を手塗りで仕上げています。
お客様からオーダーのご相談を頂いき、お話しをうかがい、希望をお聞きして、「そのような窓なら、こんな金物を使って、こんな風に作ればいいな」と頭の中で構造や使用する金物を想像し、どのような納まりになるか、どのように作ればいいのかまでを考えたうえで、お見積りから製作までを行います。
吊り元に丁番を使用する「開き窓(片開きや両開きなど)」や、フリクションステーなどを使用した「縦滑り出し窓」などは一般的によく見かけますが、窓のセンターを軸とした縦回転窓はあまり見かけません。
今回の縦軸回転窓の製作で難儀したのが、金物探し。探しているのは「ピボットヒンジ」とか「ピーヒンジ」と呼ばれるもののセンター軸のタイプ。
とても簡単な構造の金物だし、使ったことはないけどなんかどこかのカタログで見たような気がする。様々な金物メーカーのカタログをペラペラとめくり探しましたが、縦軸回転窓に適正な金物がない。流用できそうな金物もない!
ん??そんなはずはない。どこかのメーカーには絶対あるだろう。しらみつぶしに探しましたがない。ありそうなのにない!!
金物屋さんに「こんな金物探してるんだけど」と聞くと、「あー、なんかみたことありますね。どこか(のメーカー)にはあるんじゃない。探してみます。」と言ったきり返答はなし。。
そんな時は「google」。最近は画像検索で物を探すことも多くなりました。そしたらありましたよ。海外のメーカーで!
たぶん、国内でもどこかのメーカーでは取り扱いがあると思います。でも今回は探しきれず。海外のメーカーから金物を取り寄せました。
縦軸回転窓に使用する、センターピボットヒンジは、構造が極めてアナログで、調整もできず、金物の取り付けと部材の加工精度ともに、とても神経を使います。
使用する金物にもよると思いますが、今回製作した縦軸回転窓は、ステーやキャッチを付けないと360度クルクルと回り続けますので、閉保持用のマグネットキャッチと窓締り、開き止めにステーを取り付けています。お客様の希望で、ハンドルと開き止めのステーを金色で統一しています。
通常ならば、オーダーいただいた室内窓は完成品の状態で梱包して現場へ送るのですが、金物の取り寄せに時間がかかったり、他の仕事との納期の問題もあり、枠のみ先行で現場へ送って、日にち改めて中の窓の部分を吊り込みに行きました。
その様子は雑貨店の店長がブログに書いていますので合わせてお読み頂くと面白いかと思います。
神奈川県横須賀市 縦回転窓 取り付け
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