大分県のI様邸からオーダーいただいたとても背の低い木製の滑り出し室内窓です。
製作した滑り出し室内窓のサイズは、高さ25×横幅100cmで、室内用で、木製で、オーダーメイドで製作する滑り出し窓としてはこれ以上低くできない限界低さでの製作となりました。
最初にお客様から高さ25cmの滑り出し室内窓を作ってほしいと相談を受けた時に、「んん?高さ25cmだと金物が突っかるのでは!?」と思い、さっと計算をしたところ、枠の内高と金物の高さが同じになることが分かりました。
(つまり、『枠の内高=金物の高さ+窓の上下の隙間』となり、これ以上低い滑り出し窓は製作できないということです。)
やったことはないけど多分制作自体は出来ると思います。
ただ、金物がその様な使い方を前提としていないし、高さの割に横幅も長い。金物の動作部とハンドルの位置が近くなるため支点と作用点の兼ね合いで開閉が重くなると思うし、耐久性や作動性能にどのような影響が出るのかわからないので、あと最低でも5cmは大きくして高さ30cmで製作させてほしいと提案をしました。
壁に実寸大の印を打ち、取り付け高さや開閉のしやすさなどもシミュレーション、開閉方式も滑り出しが最善。これしかないと、しっかり構想を固めていたお客様。事前に考えられる問題点等のことは理解しました。それであってもいいので、ぜひ高さ25cmで製作したい、ということになり、高さ25cmで打合せを進めることになりました。
サイズの打ち合わせと並行してガラスの打合せも行っていました。
こちらも客様のイメージはピッチ12mmのモールガラスの縦流れで、ほぼ固まっていました。
この室内窓が取り付く壁には、高さ3cmくらいの横長のタイルを積み重ねながら貼っていくそうで、その横流れのタイルの流れに合わせるのではなく、あえてアクセントというか変化というかを付ける意味で縦流れにしたいということでした。
ただ、ガラスの見える部分がすごく小さいことと、タイルと合わせて横流れの方がいいのかなぁ?という考えもあって、お客様と一緒に結構な時間をかけて悩みました。
チェッカーガラスやフローラガラスでもいいけど、普通過ぎてあんまり面白くないし。。。やはり最初にイメージしたものがいいし、縦流れにすると変化が合って面白そうだし、と言うことになりまして縦流れで行くことに決定しました。
ガラスの見える部分の高さが小さいのでどんな感じになるのだろうと、私も今一想像がつきませんでしたが、縦流れ大正解でした!
ガラスの見える部分の高さは低いけど横に長いので、ラインの本数が多く入り、モールガラスが生きました。
多分横流れは横流れでモールガラスの流れと窓の形状が一体となって落ち着いた雰囲気の窓になっていたのかなと想像します。
あと、3mmピッチのモールガラスがあるのでそっちだったら横流れがいいかもしれませんね。
仕上げは「無塗装」で、取り付け業者様が現場で仕上げを行ってくれます。
製作した室内窓は施主支給品としてお客様宅へ配送、現地の施工業者様が取り付けを行っています。
枠高さ25cmが限界低さと言いましたが、実際にはもう少しサイズの小さい金物が当社で取り扱っているメーカーと違うメーカーで存在します。なのでもう少し低い滑り出し室内窓を製作できる会社はあると思います。ただそのメーカの金物は当社ではもう採用しませんので、25cmが最低低さとなります。
今回の記事と真逆の、限界高さの木製滑り出し室内窓の記事も過去に書いていますので、よろしければ合わせてお読みください。
高さ80cm特大サイズの木製滑り出し室内窓-島根県N様邸
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